
2025年3月時点で新NISAの総投資額は59.2兆円。実際にどんな商品が買われ、誰が投資しているのか?利用実態をデータでわかりやすく解説します。
〜新NISAのリアルな現状をデータで徹底解説!【2025年最新版】みんなは何を買っている?〜
もくじ
- はじめに
- 新NISAの現状と政府目標の進捗
- 売却動向から見える“投資行動”
- 投資資金の出どころは?
- 成長投資枠で買われているもの
- つみたて投資枠で買われているもの
- 利用者の年収分布から見える“リアル”
- 新NISAのメリットを最大限活かすには
- まとめ
はじめに
2024年1月1日にスタートした「新NISA」。
つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて 年間最大360万円まで非課税で投資できる制度 として、多くの投資家に注目されています。
そして驚くべきことに、政府目標を3年前倒しで達成しました。
資産所得倍増プランで掲げられていた「5年で56兆円」が、2025年3月時点ですでに 59.2兆円 に到達しているのです。
「そんなにすごいの?」と思う人も多いかもしれません。
この記事では、
- 新NISAの投資額や口座数の現状
- 実際にみんなは何を買っているのか
- どんな人がNISAを利用しているのか
を最新データをもとに、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
新NISAの現状と政府目標の進捗
総投資額は目標超え
2025年3月時点での新NISA総投資額は 59.2兆円。
これは2022年に政府が立てた「資産所得倍増プラン」で掲げた目標(28兆円→56兆円)を大きく超え、わずか3年で達成してしまいました。
資産所得倍増プランとは?
資産所得倍増プランとは、2022年に政府が打ち出した経済政策で、
-
家計の金融資産を「貯蓄から投資へ」シフトさせる
-
5年間で家計の資産所得を倍増させる
ことを目標としています。
背景には、日本では個人金融資産の半分以上(約2,000兆円のうち1,000兆円超)が依然として現金・預金に偏っており、投資による資産形成が進んでいないという課題がありました。
そのため政府は、NISAの恒久化・非課税枠の大幅拡大といった「投資優遇制度」を柱に据え、国民に資産形成の機会を提供しようとしているのです。
つまり新NISAの成功は、この資産所得倍増プランの実現度を測る重要な指標でもあるわ
「日本人は投資をしない」という常識が変わりつつある、と言えるでしょう。
口座数はまだ道半ば
一方で口座数の目標には届いていません。
目標:5年で3,400万口座
実績:2025年3月時点で約2,646万口座
進捗は「およそ4人に1人がNISA口座を持っている」状態。
資金は集まっているものの、利用者数の広がりはまだ途上です。
それでも「投資は一部のお金持ちのもの」という時代から、「普通の人も投資を始めている」という変化が見えてきます。
売却動向から見える“投資行動”

出典:日本証券業協会「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)の公表について
ほとんどの人が「売らずに保有」
新NISAが始まった2024年、実際に売却を行った人はどのくらいいたのでしょうか。
- つみたて投資枠
1銘柄も売却せず → 83.2% - 成長投資枠
1銘柄も売却せず → 75.3%
多くの人が「長期投資のスタンス」を守っていることがわかります。
2025年4月のトランプ関税ショックでは?
例外的に売却が増えたのが、2025年4月に起きた「トランプ関税ショック」。
- つみたて投資枠:約17%が売却(45〜50万人程度)
- 成長投資枠:約21%が売却(55万人超)
短期的な不安で手放す人もいましたが、それでも大半はホールド。
「NISAは長期保有が前提」という意識が定着しつつあることがうかがえます。
投資資金の出どころは?

出典:日本証券業協会「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)の公表について
新NISAの投資資金はどこから来ているのでしょうか。
- 預金・給与所得・年金 → 74.9%
- 配当金・利息 → 18.3%
- 相続 → 6.0%
大多数は「普通の生活資金から捻出」していることがわかります。
つまり「資産家だけの制度」ではなく、一般層が未来のためにコツコツ投資しているのが現実です。
成長投資枠で買われているもの
年間最大240万円の「成長投資枠」。
実際に選ばれている投資対象は以下の通りです。
一部で「新NISAは日本株限定にすべきだ」という議論もありますが、データを見る限り 十分に日本株へ資金が流入している ことがわかります。

出典:日本証券業協会「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)の公表について
つみたて投資枠で買われているもの
年間120万円の「つみたて投資枠」では、投資信託が中心。
- 全世界株式(日本を含む) → 36.8%
- 全世界株式(日本を除く) → 18.5%
- 米国株インデックス → 続く人気商品
日本を含むか除くかは考え方の違いですが、いずれも 国際分散投資が主流 となっています。
また、平均購入額は年間 47.3万円。
無理のない範囲で積み立てている様子が見て取れます。
利用者の年収分布から見える“リアル”

出典:日本証券業協会「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)の公表について
「NISAをやっているのはお金持ちでしょ?」
そんな声もありますが、データは逆を示しています。
- 年収300万円未満 → 39.7%
- 年収300〜500万円 → 27.7%
- 年収500〜700万円 → 17.1%
合計で 約85%が年収700万円未満。
つまり、平均的な収入層が中心となって新NISAを活用している のです。
「余裕があるから投資する」のではなく、未来のために少しでも資産を増やそうと努力している姿 が見えてきます。
新NISAのメリットを最大限活かすには
ここまでのデータから、新NISAはすでに多くの人が活用しており、幅広い層に広がっていることがわかりました。
初心者の方に意識してほしいポイントは3つです。
- 売らない勇気を持つ
短期的な値動きで慌てず、10年20年と保有を続ける。 - つみたて投資枠をベースに
全世界株式や米国株インデックスを軸にコツコツ積み立てる。 - 余剰資金で楽しむ成長投資枠
日本株や個別株に挑戦するのは、生活資金に余裕がある範囲で。

まとめ
- 新NISAの総投資額は59.2兆円、政府目標を3年前倒しで達成。
- 口座数はまだ途上だが、国民の約4人に1人がNISAを保有。
- 多くの人が「売らずに長期保有」を実践。
- 投資資金は預金や給与から、普通の人が未来のために投資している。
- 成長投資枠は日本株が中心、つみたて枠は全世界株・米国株が人気。
- 利用者の85%は年収700万円未満、平均的な収入層が中心。
👉 短期的な値動きに一喜一憂せず、長期目線でコツコツ積み立てる。
👉 政府の数少ない「減税優遇策」をしっかり活かし、未来の資産形成につなげる。
これが新NISAの本当の使い方です。
みんなでこの制度をフル活用して、「税金を取られっぱなし」ではなく、資産を守り育てる側 に回っていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事が少しでも参考になれば幸いです✨