
日経平均株価が最高値更新!株価が好調な時に初心者投資家はどう動くべきか?企業業績・自社株買い・金利の影響をわかりやすく解説します。
〜株価が好調 こんな時はどう動く?【初心者向け解説】〜
もくじ
- はじめに
- 株価が上昇している5つの理由
- 割高か割安か?PERの目安
- 金利の影響は大きい
- 投資家はどう動くべき?
- これからのチェックポイント
- 株高不況という現実
- 実質賃金のマイナス傾向
- リスクを取らないリスク
- まとめ
はじめに
2025年秋、日経平均株価は史上最高値を更新しました。
投資をしている人にとっては嬉しいニュースですが、同時に「今から買って大丈夫?」「むしろ売った方がいいのでは?」と迷う局面でもあります。
特に初心者の方にとっては、株価が高くなっている今こそ判断が難しいタイミングです。
この記事では、株価上昇の背景を整理しながら、初心者が取るべき行動をわかりやすく解説します。
株価が上昇している5つの理由
① 企業業績の見通し
野村証券によると、2025年の企業決算は前年比 -8.6%の減益と予想されています。
ただし、2026年には**+13.0%の増益**が見込まれており、業績のV字回復が期待されています。
👉 投資家心理としては、「来年以降は改善する」という見通しが株価を下支えしています。
② 自社株買いの拡大
2024年と比べて2倍のペースで自社株買いが進んでいます。
自社株買いとは、企業が自分の株を買い戻すこと。
株の需要が増え → 株価が上がる
「自社の株価は安い」という経営陣からのサインになる
これにより株価がさらに押し上げられています。
③ 日本経済の底堅さ
直近のGDP成長率は**+1.0%(年率換算)**。
世界的に見ると大きな数字ではありませんが、日本経済が「安定している」と評価される材料です。
安定感は投資家にとって安心材料となり、株価上昇につながります。
④ 出遅れ感と割安感
ドイツ・中国・韓国の株価指数は年初来+10〜30%の上昇。
一方、日本株は+6%前後にとどまっていました。
👉 「他国に比べて日本株は割安だ」と感じた投資家が買いに動いたのです。
⑤ 米国株の好調さ
米国のS&P500やナスダックも最高値を更新。
世界の投資資金は「米国株が上がれば日本株も上がる」という流れに乗る傾向があります。

割高か割安か?PERの目安
PER(株価収益率)は、株価が企業の利益に比べてどのくらい高いかを表す指標です。
日経平均の現在のPER:17〜18倍
適正とされる水準:14〜16倍
👉 少し割高になっている状態です。
ただし「将来の利益回復を先取りして買われている」と考えれば、必ずしも危険とは言えません。
金利の影響は大きい
日銀が利上げするかもしれないという観測も出ています。
金利が上がる → 債券の魅力が高まり、株からお金が流れる
一方で、「景気が強いから利上げする」と受け止められれば、株価の支えになる場合もある
👉 一般的には「金利が上がると株価は下がる」と言われます。
なぜなら、企業が借金するときのコストが増えるため利益が減りやすくなるからです。
さらに投資家はリスクの高い株式よりも安全な債券を選ぶ傾向が強まります。
今は株価が好調なので、もし日銀が利上げに踏み切れば、株価が調整する可能性は十分にあると考えられます。
投資家はどう動くべき?
短期投資家の場合
急騰の後は調整が入りやすい
一時的な利益確定売りや押し目買いが戦略の中心
長期投資家の場合
多少の割高感があっても、企業の増益予想や自社株買いを考えれば保有継続は合理的
バブルのように「実体のない株高」ではないので安心材料は多い
初心者投資家の場合
一括で大量に買わず、**積立投資(ドルコスト平均法)**で時間分散
「今から入って大丈夫?」という不安があっても、少額ずつ買い続ける方法なら安心
これからのチェックポイント
- 日銀の金融政策:利上げがいつ実施されるか、その規模はどうか
- 為替動向:円高になれば輸出企業には逆風
- 米国経済:トランプ関税や景気後退の有無
- 世界の株式市場:中国やドイツ経済の回復スピード
初心者は、ニュースを全部理解する必要はありません。
「大きな流れ」だけ押さえておけば十分です。
株高不況という現実
今の日本を表す言葉として「株高不況」(藤代宏一著)というキーワードがあります。
- 企業は儲かっていて株価は高い
- しかし個人は、仕事はあっても物価高で生活が厳しい
実質賃金のマイナス傾向
2025年春から夏にかけて、実質賃金は前年同月比でマイナス1〜2%台の下落が続いています。
名目賃金は上がっていても、物価上昇に追いつかないため、家計の余裕はむしろ減っているのです。
物価上昇率の高さ
- 消費者物価指数(CPI)は2025年8月時点で**+2.7%**。
- 食料品や日用品の値上がりが家計を直撃しています。
👉 つまり「企業と株価は元気なのに、個人の暮らしは苦しい」という“温度差”が存在しているのです。
投資を考える際には、株価の数字だけでなく、こうした生活実感や社会全体の流れも意識しておくことが大切です。
リスクを取らないリスク
こうした状況下で、リスクを取って投資してきた人は報われているのが現実です。
株式市場の上昇に資産を乗せた人と、現金だけを持ち続けた人との間で格差が広がっています。
現金オンリーでやってきた人に突きつけられるのは、
リスクを取らないリスク(物価高で購買力が下がり続ける)
💴集中投資のリスク(円だけに依存し、インフレで資産価値が目減りする)
貯金しているにも関わらず購買力が落ちていく ― これが残酷な現状です。
この状況を変えるには、お金について学び、適正なリスクを取るしかありません。
日本人は「リスクを嫌う国民性」と言われがちですが、今後はそうはいかなくなるでしょう。
👉 大切なのは、やみくもに投資することではなく、学びながら正しいリスクを取ること。
これこそが、将来の生活を守るために必要な一歩なのです。

まとめ
株価上昇の背景は 業績回復期待・自社株買い・経済の底堅さ・出遅れ感・米国株高
PERはやや割高、金利上昇リスクもある
一般的に金利が上がれば株価は下がりやすいので注意
初心者は「積立投資」「分散投資」で慌てない
👉 結論:
株価が好調な今こそ、焦らずコツコツ投資を続けることが大切。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事が少しでも参考になれば幸いです✨