
投資の神本『ウォール街のランダムウォーカー』が説く「年齢に応じてリスクを下げる」考え方をやさしく解説。キャピタルゲインより安定収入を重視したインカム投資の魅力と始め方を紹介します。
投資で「利子・配当収入」を重視すべき理由
〜『ウォール街のランダムウォーカー』が教える安定した資産運用の考え方〜
もくじ
1. 投資の世界で生き残るコツは「耐える力」
投資の世界では、長く続けることが何よりも大切です。
「どんなに優れた投資手法でも、続けられなければ意味がない」とよく言われます。
たとえば、世界的に有名な投資本『ウォール街のランダムウォーカー』では、
「投資家は年齢を重ねるごとにリスクを減らし、安定収入を得られる資産にシフトすべき」
という考え方が紹介されています。
これは単に「年を取ったら安全運転にしよう」という話ではありません。
もっと本質的には、“安心して続けられる投資”に切り替えることが、成功への近道という意味なのです。
2. 『ウォール街のランダムウォーカー』の基本思想
この本は、インデックス投資の“教科書”とも言われる名著です。
一貫して主張しているのは、
「個別株の値動きを予想して勝ち続けるのはほぼ不可能」
というシンプルな事実。
つまり、どんな天才投資家でも市場全体の動きを正確に読めるわけではない。
だからこそ、「市場全体」に分散投資するのが最も合理的だという考え方です。
では、そのインデックス投資を続けていく中で、なぜ“年齢によってリスクを減らす”ことが推奨されるのでしょうか?
それは、リスクを取る体力が年齢とともに減っていくからです。
若い時期なら暴落があっても時間が味方をしてくれますが、
退職後に同じような暴落が起きたら、生活資金そのものが揺らぎます。
そこで登場するのが、「利子」や「配当」といった“インカムゲイン”の考え方です。
3. キャピタルゲイン vs インカムゲインの違い
投資の利益には大きく2種類あります。
キャピタルゲインは、値上がりを狙って資産を売却することで得られます。
ただし、これは**「市場の買う気」に依存する**ため、非常に不安定です。
たとえば株価が暴落した時、
「まだ戻るはず」と思って売らずに耐えるのか、
「もうダメだ」と思って損切りするのか。
その判断ひとつで結果が大きく変わります。
一方、インカムゲインは、
株を持っていれば配当が、
債券を持っていれば利子が、
不動産を持っていれば家賃が入る。
つまり**「市場の気分」に左右されにくい安定収入**なのです。
4. ニュートンも投資で負けた理由
歴史上の天才科学者・ニュートンは、投資で大きな損を出したことで有名です。
彼は「天体の動きは計算できるが、人の狂気は計算できない」と語りました。
まさに投資市場は、人間の欲望と恐怖が入り混じる“感情の海”です。
どんなに優れた理論を持っていても、人の心理を完全にコントロールすることはできません。
だからこそ、**相場の波に頼らない「インカム中心の設計」**が重要になるのです。
たとえば、
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債券の利子
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高配当株の配当金
-
REITの分配金
これらは、株価が下がっても定期的に入るお金です。
「株価が上がるか下がるか」ではなく、
「毎月どれだけの収入が入るか」で考えられるようになります。
5. シンプルな投資を続けるための考え方
とはいえ、初心者のうちは難しい金融商品を組み合わせる必要はありません。
むしろ、最も効果的なのは**「現金+株式インデックスファンド」**というシンプルな形です。
-
生活防衛資金(現金)を手元に確保する
-
残りを世界分散インデックスに投資する
たとえば、
「現金50%+全世界株式インデックス50%」
「現金70%+株式30%」
のように、年齢や性格に合わせて配分を変えるだけで十分リスクをコントロールできます。
もしリスクを下げたくなったら、
株式の比率を下げて現金を増やすだけ。
新しい金融商品に手を出す必要はありません。
6. 中・上級者が取り入れるインカム投資の世界
一方で、投資に慣れてきた人の中には、
「より安定的にキャッシュフローを作りたい」
「配当や利息で生活費を賄いたい」
という人も増えてきます。
そんな人たちは、少しずつインカム資産をポートフォリオに加えていきます。
具体的にはこんな資産です:
こうした資産は値動きが穏やかで、定期的な収入が得られるため、
生活設計が立てやすいというメリットがあります。
また、最近では「分配金を再投資するタイプの高配当ETF」もあり、
トータルリターンで見ると、主要インデックスを上回るケースもあります。
ただし、これらは「安定的に続ける」ための設計が必要。
銘柄分散や通貨分散をしないと、逆にリスクが集中してしまうので注意が必要です。
7. インカム投資が向いている人・向いていない人
最後に、自分がどちらのタイプかを考えてみましょう。
「どちらが正しいか」ではなく、自分が続けられる方法を選ぶことが正解です。
8. まとめ:投資のゴールは「心穏やかに続けること」

『ウォール街のランダムウォーカー』の言葉を借りれば、
「市場の動きを読むより、あなた自身の行動をコントロールせよ」ということになります。
つまり、投資で最も重要なのは**“メンタルが安定していられる仕組み”**を作ること。
そのために、年齢とともにインカム資産の割合を増やすのは理にかなっています。
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株価の上下に一喜一憂せず
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毎月入る利子や配当で生活設計を立て
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長期で資産を増やしていく
これこそが、投資を「生活の味方」にする方法です。
💡最後に
投資の目的は「お金を増やすこと」ではなく、
「安心して生きられる選択肢を増やすこと」です。
もしあなたが、「株価を毎日チェックするのが疲れた」と感じているなら、
それはキャピタルゲイン偏重の危険信号かもしれません。
これからの時代は、
市場の波に振り回されない“利子・配当で生きる”設計が、
真の自由をもたらしてくれるはずです。
今回紹介した“インカム重視の考え方”を実践するには、
まず 「高配当ETF+現金」 というシンプルな組み合わせが効果的です。
次回は、具体的なETFの種類や比率の決め方を例に、
初心者でも安心して実行できるポートフォリオ設計を紹介します。
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