肉大好き源さんblog

お金の知識とAlfa155 V6をこよなく愛す

個人年金保険の節税効果とiDeCoの違い|IRRで見る本当の利回りとは?

個人年金保険の節税効果は本当にお得?実質利回り(IRR)をExcelGoogleスプレッドシートで簡単に計算して検証。

 

iDeCoとの違いを数字で比較し、初心者でも正しく保険を見極める力を育てる解説記事です。

 

個人年金保険の節税効果とiDeCoの違い|IRRで見る“本当の利回り”とは?

 

 

もくじ

 

 

はじめに|「節税になるから」という理由で入っていませんか?

 

「老後が不安だから」「節税になるから」「銀行にすすめられたから」――。
こうした理由で個人年金保険に加入している人は少なくありません。

しかし実際に計算してみると、節税効果を考慮しても、驚くほど利回りが低いのが現実です。
「得をしているつもりが、実は損をしていた」――そんなケースが非常に多いのです。

この記事では、初心者でも理解できるように、次の3つの視点で整理します。

  • 個人年金保険の節税効果の“正体”
  • IRR(内部収益率)を使った正しい利回りの見方
  • iDeCoとの違いと、合理的な老後資産形成の考え方

数字がたくさん出てきますが、「正しく判断するための筋トレ」だと思って進んでいきましょう。
読み終えるころには、保険や投資を「数字で見抜ける自分」に変わっているはずです。


個人年金保険とは?

 

個人年金保険は、一定期間保険料を積み立てて、60歳や65歳などから年金形式で受け取る仕組みの保険商品です。
表面的には「貯蓄」と「保険」を合わせたように見えますが、実態は「非常に効率の悪い積立」です。

営業担当者はこう言います。

  • 節税になりますよ!
  • 老後の安心を確保できます!
  • 返戻率は105%です!

しかし、これらの言葉だけで判断してしまうのは危険です。
なぜなら、数字の裏には「複利の弱さ」「長期の資金拘束」「手数料の高さ」が隠れているからです。

焦らずに一歩ずつ見ていきましょう。
今ここで仕組みを正しく理解すれば、将来のあなたの“お金の自由度”が確実に上がります。


個人年金保険の節税効果の仕組み

 

「節税できる」という言葉の正体

個人年金保険に加入すると、「生命保険料控除」の一種として最大4万円の所得控除が受けられます。
「所得控除」とは、課税対象となる所得から一定額を差し引ける仕組みのことです。

たとえば年収400万円、所得税率10%の人の場合:

4万円 × 10%(所得税)=4,000円
さらに住民税10%を加えると、年間約8,000円の節税になります。

30年間での節税効果

8,000円 × 30年 = 24万円の節税
確かに悪くない金額に見えるかもしれません。
しかしその間に支払う保険料は何百万円にも及び、資金が30年間も動かせなくなります。

つまり「節税」という言葉は魅力的ですが、トータルで得かどうかはまったく別の話なのです。

数字を見ると気持ちが引いてしまう人もいるかもしれません。
でも大丈夫です。これを理解できるようになることが、お金の判断力を磨く最初の壁です。
一緒に乗り越えていきましょう。

 

 

IRR(内部収益率)で見る“本当の利回り”

 

営業担当者がよく使う「返戻率」では、実際の利回りを正しく判断できません。
ここで使うのがIRR(Internal Rate of Return)=内部収益率です。

IRRを理解する3つのステップ

  1. 投資期間を把握する:いつからいつまでお金を出し入れしたのか。
  2. キャッシュフローを把握する:毎年(または毎月)どれだけお金を払って、どれだけ受け取ったのか。
  3. 出ていくお金はマイナス、入ってくるお金はプラス:支出は負の数字、収入は正の数字で表す。

これを押さえるだけで、どんな金融商品も「正しい目」で見極められるようになります。
少しだけ数学的ですが、“だまされないための数字の武器”だと思って覚えましょう。

具体例:毎月2万円、30年間積み立てた場合

・毎月2万円×30年間=720万円払い込み
・60歳から10年間で合計756万円受け取り

ぱっと見では、756 ÷ 720 = 返戻率105%
一見お得に感じますが、IRRで計算すると年利0.16%です。

30年間預けてこの利回り。実質的には定期預金と大差ありません
これが「節税しても増えない」現実なのです。

ExcelGoogleスプレッドシートでIRRを計算する方法

ここからは、初心者でもできる「IRRの実践計算」を紹介します。
数字は少し多いですが、実際に手を動かすことで一気に理解が深まります。がんばっていきましょう。

  1. 以下のような表を作ります。
キャッシュフロー(円)
0 -240000
1 -240000
2 -240000
29 -240000
30 +756000

マイナスは「出ていくお金」、プラスは「入ってくるお金」です。
ここで大事なのは、自分がいつ・いくら出して、いつ・いくら受け取るのかを明確にすることです。

  1. IRR関数を使って利回りを計算します。
=IRR(B2:B32)

すると、IRR=0.0016(=0.16%)と表示されます。
これが「あなたの資金がどれだけ効率的に増えたか」を示す指標です。

自分の契約内容でも同じように計算してみましょう。
「数字で見る」という習慣が、将来の損失を防ぎます。


iDeCoとの比較|節税と資産形成の両立が可能

 

節税を目的にするなら、個人年金保険よりもiDeCo(個人型確定拠出年金の方が圧倒的に有利です。

項目 個人年金保険 iDeCo
掛金の所得控除 最大4万円 掛金全額が控除対象
運用益 課税対象(20.315%) 非課税
利回り 0.1〜0.5% 投資信託なら3〜5%も可能
手数料 高い(保険会社) 安い(ネット証券)
流動性 途中解約で元本割れ 原則60歳まで引き出せない
節税額(年収400万円) 約8,000円/年 約48,000円/年(約6倍)

たとえば月2万円をiDeCoで積み立てる場合、年間24万円がまるごと所得控除になります。
所得税・住民税の合計20%を考えると、年間4.8万円の節税です。
30年間ではなんと144万円の節税効果になります。

個人年金保険の節税(30年間で24万円)と比べると、約6倍の差です。

ただし、iDeCoには資金拘束(原則60歳まで引き出せない)と、出口戦略の難しさ(受け取り方の選択)というデメリットもあります。
そのため、まずはNISA(年間360万円まで非課税)を満額活用し、それでも余裕資金がある場合にiDeCoを検討するのがおすすめです。

NISAはいつでも引き出せて運用益も非課税。資金の柔軟性が高いため、まずはこちらを優先しましょう。


複利の力を味方にする|“時間”こそ最大の味方

 

同じ金額を積み立てても、利回りが違えば将来の資産額は大きく変わります。

年利 30年後の資産(毎月2万円積立)
0.2% 約730万円
5% 約1,550万円

その差は約820万円
節税で数万円得をするより、「複利で増やす仕組み」を選ぶほうが圧倒的に効果的です。

最初は数字が怖く感じても大丈夫。
“知ることが最大のリスク回避”です。
今日ここまで理解できたあなたは、もう金融リテラシーの第一歩を踏み出しています。

 

 

まとめ|「節税」よりも「増える仕組み」を選ぼう

 

  • 個人年金保険の節税効果は年8,000円程度と限定的
  • IRRで見ると実質利回りは0.1〜0.5%前後
  • インフレを考慮すると実質マイナスになる可能性も
  • iDeCoは節税効果が高いが資金拘束・出口戦略に注意
  • まずはNISAを満額(年間360万円)活用、それでも余裕があればiDeCoを検討
  • 本当の資産形成は「複利×時間」を味方にすること

「節税できる」だけでは、将来のお金の安心は作れません。
大切なのは“どれだけ増やせる仕組みか”を見抜く力です。

今日この記事を最後まで読んだあなたは、もう「数字で判断できる人」です。
少しずつ学び、行動していけば、10年後・20年後の不安は確実に減っていきます。

数字が多くても、ここをがんばったあなたには確実に“見る目”が育っています。
焦らず一歩ずつ、堅実にいきましょう。

 

個人年金保険の節税効果は本当にお得?実質利回り(IRR)をExcelGoogleスプレッドシートで簡単に計算して検証。

💡補足:IRRをすぐに試せる練習用データ

 

スプレッドシートExcelで次のように入力してみてください。

キャッシュフロー
0 -240000
1 -240000
2 -240000
29 -240000
30 +756000

セルB1~B31を選択し、

 
=IRR(B1:B31)

を入力。

結果が「0.0016(=0.16%)」程度なら、
これがあなたの実質利回りです。

数字は嘘をつきません。
節税額より、この「複利の低さ」を見て判断しましょう。

 


 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事が少しでも参考になれば幸いです✨

 

 

クリックしてもらえると嬉しいです。

にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村

クリックしてもらえると嬉しいです。

にほんブログ村 その他生活ブログ マネー(プロ・アドバイザー)へ
にほんブログ村