
~税金トラブルの裏側と、借主が知っておきたい対策~
■ はじめに:いま賃貸業界で起きていること
最近、不動産や投資系の動画やニュースで「外国人オーナーが貸している物件で、借り主が税務署から100万円を請求された」という話題を目にした方も多いのではないでしょうか。
一見すると「それって貸主の問題でしょ?」と思いがちですが、実は借りる側も巻き込まれる可能性があります。これは 税金の仕組みを理解していないと、誰にでも起こりうるトラブルです。
しかも円安・インバウンド需要・投資マネーの流入などを背景に、日本の不動産を外国人が所有するケースは年々増加中。東京の一等地のマンションが、海外投資家からすると「驚くほど安い」と見える状況もあり、今後ますます外国人オーナー物件は増えていくでしょう。
今回は、この問題を「ワイドショー風」に、そして「借り主の立場」から徹底的に解説します。
もくじ
- ■ はじめに:いま賃貸業界で起きていること
- 📺 ワイドショーを賑わせた“突然100万円請求”の衝撃
- 🌍 なぜ外国人オーナー物件が増えているのか?
- 💸 借主に降りかかる“源泉徴収”の義務とは?
- 🏠 借主の立場から見たリスクの分かれ道
- ⚠️ 実際にあったトラブル事例
- 🛡 借主ができる自衛策チェックリスト
- 🎤 ワイドショー的まとめ
📺 ワイドショーを賑わせた“突然100万円請求”の衝撃
ある日突然、税務署から「あなたに100万円納めてもらいます」と通知が届いたらどうしますか?
借主は驚きますよね。
「え?私はただ普通に家賃を払っていただけなのに……」
まさにこんなケースが、最近SNSやニュース、ワイドショーで大きな話題となりました。
原因は――貸主が外国人オーナー(=税法上の非居住者)だったという事実。
実は、オーナーが非居住者の場合、借主には「家賃の一部を天引きして税務署に納める」という義務が発生します。
このルールを知らずに契約を進めてしまった結果、「数年分まとめて納めてください」と追徴課税されてしまうのです。
借主からすれば「理不尽!」と思うかもしれませんが、税務署は一歩も譲りません。
この現実が、今じわじわと広がっているのです。
🌍 なぜ外国人オーナー物件が増えているのか?
この背景には、日本の不動産市場を取り巻く国際的な流れがあります。
◉円安効果
外国人から見ると、日本の不動産は「大特価セール中」。
東京の一等地マンションが、ニューヨークや香港と比べて半値以下で買えてしまうケースも少なくありません。
◉投資先としての魅力
日本は治安がよく、管理もしっかりしているため、海外投資家から見れば「安心して貸せる国」。
長期保有しても安定収入が得られると人気です。
◉国際資産の分散
世界の富裕層は資産を一国に集中させません。株式・債券だけでなく不動産も国際分散。
その結果、日本の都市部のマンションやビルを所有する外国人が増えているのです。
こうした流れから、気づけば「住んでいるマンションのオーナーが外国人投資家」というのは珍しい話ではなくなりました。
💸 借主に降りかかる“源泉徴収”の義務とは?
それではなぜ、オーナーが外国人だと借主が税金を背負う羽目になるのでしょうか?
ポイントは源泉徴収。
通常の日本人オーナーなら、借主は家賃をそのまま払うだけ。
しかし貸主が非居住者(外国人オーナー)の場合、借主は家賃の20.42%を差し引いて税務署に納める義務を負います。
例えば月30万円の家賃なら、61,260円を源泉税として差し引き、オーナーには238,740円を送金するのが正しい流れ。
この仕組みを知らずに家賃を全額オーナーへ送ってしまうと――
税務署は「あなたが源泉徴収すべきだった分を、今すぐ納めてください」と追いかけてくるのです。
しかも本税だけでなく、不納付加算税や延滞税まで上乗せ。
最悪、数年分がまとめて請求され「100万円超の負担」になった人もいるというわけです。
🏠 借主の立場から見たリスクの分かれ道
では、どんなときにこの源泉徴収が必要になるのでしょうか?
✅ 個人が自宅として借りる場合
自分や家族が住むための賃貸契約なら、源泉徴収は不要です。
一般的な「普通の賃貸生活」であれば安心ですね。
✅ 法人契約(社宅・オフィスなど)
会社が契約者になると、住居用であっても原則として源泉徴収が必要。
「社宅だから住むのは社員の家族」というケースでも対象です。
✅ 自宅兼事務所(SOHOなど)
この場合、事務所部分は源泉対象。
契約書に「按分割合」をきちんと書いておくと後々のトラブルを防げます。

※SOHOとは
SOHO(ソーホー)とは、「Small Office/Home Office」の略で、小規模なオフィスや自宅でパソコンなどの情報通信機器を使って、仕事をする働き方や、その仕事場や物件そのものを指す言葉です。主に、10人以下の小規模事業者や個人事業主、フリーランスなどがこのスタイルを取ることが多いです。
最近ではテレワークやリモートワーク、在宅勤務の広がりとともに注目されている働き方でもあり、事務所兼自宅の賃貸物件、不動産業界でも「SOHO物件」などの表現が使われます。
つまり、「SOHO」とは仕事の場所や時間を自分で決められる自由度の高い働き方、またはそうしたスタイルに適した物件(施設)を指す言葉です
✅ 家賃以外の支払い
礼金、更新料、駐車場代、共益費――これらも賃料の一部とみなされれば、源泉の対象になる可能性があります。
⚠️ 実際にあったトラブル事例
ここで、実際にあった事例をワイドショー風に紹介します。
ケース1:社宅契約で会社が痛手
大手企業が外国人オーナーからマンションを借りて社員用の社宅に。
しかし、源泉徴収をしていなかったため、数年後に税務署から「数百万円の追徴」を求められる事態に。
会社側は「知らなかった」では済まされず、泣く泣く支払う羽目になりました。
ケース2:SOHO利用で按分忘れ
フリーランスの男性が自宅兼事務所としてマンションを借りていたケース。
契約書に「事務所利用」としか書かれていなかったため、税務署は「全額事務所扱い」と判断。
借主は多額の追徴を請求され、大きな痛手に。
こうした事例を見ると「うちは大丈夫」とは言い切れませんよね。
🛡 借主ができる自衛策チェックリスト
では、私たち借主ができることは何でしょうか?
オーナーの居住区分を確認
居住者か非居住者かを必ず管理会社に聞く。
契約の形態をチェック
個人名義か法人名義か。
事務所利用が含まれていないか。
免除証明書の有無を確認
非居住者オーナーでも「源泉徴収免除証明書」があれば源泉不要。
家賃以外の支払いも注意
礼金・更新料・駐車場代なども対象か確認。
不安なら専門家へ相談
特に法人契約やSOHO契約の場合は、事前に税理士へ確認が安心。
関連動画
🎤 ワイドショー的まとめ
いまや東京・大阪・京都のマンションやビルは、世界の投資家にとって魅力的な資産。
その結果、**「気づいたら外国人オーナー物件に住んでいた」**なんてことは普通に起こります。
そして、そんな時に潜むのが――源泉徴収(源泉徴収義務違反)の落とし穴。
個人の居住用ならほぼ安心
法人契約・事務所利用なら要注意
家賃以外の支払いも油断禁物
「知らなかった」で100万円請求されるのは本当に痛い話です。
だからこそ、借りる前に必ずオーナーの属性や契約内容を確認しましょう。
今後似たようなトラブルは間違いなく増えていきます。
ぜひ、今回のことを頭に入れってもらって
トラブルを予防してもらえたらと思います。
そして、安心して暮らすために、ちょっとした知識と確認を怠らない。
これが、私たち借主にできる最大の自衛策です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。