
守る力こそ資産形成の要 ― お金を失わないための知識と習慣
もくじ
- はじめに
- なぜ「守る力」が必要なのか?
- 守る力の基本 ― 3つのポイント
- よくある「守れなかった」事例
- 守る力を強化するための具体的な行動
- お金を「守る力」がもたらす安心感
- 資産を守る防衛知識:要注意リスト
- まとめ
はじめに
「貯める力」「増やす力」「稼ぐ力」といえば、多くの人が資産形成において最も意識する部分かもしれません。副業を頑張ったり、節約術を駆使したり、インデックス投資で資産を積み上げたり――
これらは確かに大切な力です。
しかし、せっかく努力して稼ぎ、貯め、増やしたお金も、「守る力」がなければ一瞬で失ってしまう可能性があります。
・詐欺・ぼったくりに遭う
お金を騙し取られる
銀行や証券会社にぼったくりファンドを買わされる
・被災・盗難に遭う
火災でお金が燃える
金庫が盗まれる
ネット銀行パスワードが盗まれる
・浪費する
家・車・洋服・ブランド品など
・インフレで削れる
ロバート・キヨサキ氏の著書『金持ち父さんの投資ガイド入門編』の中にこんな言葉があります。
「結局なくしてしまうのなら、いくらお金を儲けたって意味がない」
まさに「守る力」の本質を突いた一言でしょう。この記事では、リベ大(リベラルアーツ大学)の考え方をベースに、「守る力」の重要性と具体的な実践方法を深堀りしていきます。

なぜ「守る力」が必要なのか?
1. 誰しも騙される可能性がある
「私は騙されないから大丈夫」と思っている人ほど危険です。人間は必ず弱い部分を持っています。例えば、
・家族の病気や介護で気持ちが揺らいでいるとき
・将来のお金への不安が強まっているとき
・誰にも相談できず孤独を感じているとき
そんな心の隙に巧妙な詐欺や怪しい投資話が入り込みます。
「自分だけは例外」と思わず、「人は必ず騙される可能性がある」という前提に立ち、知識をアップデートしておくことが重要です。
2. お金を失うスピードは稼ぐスピードより速い
稼ぐのに数年〜数十年かかったお金も、失うのは一瞬です。
投資詐欺に数百万円を振り込んでしまう
情報商材や高額セミナーに騙されてローンまで組んでしまう
マルチ商法で「友達を失い、お金も失う」
守る力がないと、積み上げた努力を一夜にして失ってしまいます。
守る力の基本 ― 3つのポイント
① 怪しい話には「一歩引く習慣」を持つ
守る力の最初のステップは「怪しい話に飛びつかない」ことです。
「絶対儲かる」「今しかない」「あなただけ特別に」などのキーワードには要注意。
相手が有名人や友人でも、冷静に内容をチェックすること。
大きなお金を動かすときは、必ず第三者の意見を聞く。
感情が揺さぶられるときこそ、「少し時間を置いて考える」ことが重要です。
② 契約書・規約を読む習慣をつける
金融商品や保険に加入する際、「よくわからないけど大丈夫だろう」とサインするのは危険です。
・手数料はどれくらいかかるのか
・元本保証はあるのか、それともリスク商品か
・解約するときにどんな条件がついているのか
守る力とは「自分のお金の流れを自分で理解する力」でもあります。
③ 情報をアップデートし続ける
世の中の金融商品や詐欺の手口は常に進化しています。数年前に「怪しい」とされた手口も形を変えて出てきます。
・定期的に金融庁や消費者庁の注意喚起情報をチェック
・信頼できる本やYouTubeで金融リテラシーを磨く
・SNSで話題の投資話も必ず裏を取る
守る力は「一度身につけたら終わり」ではなく「一生アップデートし続ける力」です。
よくある「守れなかった」事例
1. 高配当株詐欺
「月利5%を保証します」(年利3〜5%が普通)などと言って、出資金を集める典型的なポンジスキーム。最初は分配金が出て安心させ、後に飛ぶケースが多いです。
※ポンジスキームとは
主な特徴:
• 高い利回りや元本保証をうたい、新規出資金で配当をまかなう。
• 出資金の流入が途絶えると破綻する「自転車操業」型の詐欺。
• 被害が大きくなりやすく、最後に参加した人は大きな損失を負う。
投資詐欺の多くはこの手法で行われているため、うまい話や異常に高い配当が提示される投資案件には十分な注意が必要です。
2. ぼったくり保険
本来なら数千円で済む保障を、月に数万円も払ってしまうケース。営業トークに押されて加入してしまう人が後を絶ちません。
3. マルチ商法・情報商材
「このノウハウを知れば誰でも稼げる」といった高額商材。結局「勧誘し続けないと儲からない」という仕組みで人間関係を壊すことも。
これらは決して「一部の人がひっかかるだけの話」ではありません。真面目で努力家の人ほど、「信じたい気持ち」によって騙されてしまうのです。
守る力を強化するための具体的な行動
・お金の出口を確認する習慣
毎月の支出や引き落としを見直し、不自然な支出がないかチェック。
・資産の「見える化」
銀行口座・証券口座・保険を一元管理できるアプリを活用し、自分のお金を把握する。
・セカンドオピニオンを持つ
大きな契約や投資をする前に、信頼できる第三者に相談する。FPや金融リテラシーの高い友人も有効。
・少額で試す
新しい仕組みや商品に触れるときは、まず少額で体験してから判断する。
・「わからないものには投資しない」原則を守る
仕組みを説明できない商品に手を出さない。これは投資の大原則です。
お金を「守る力」がもたらす安心感
守る力が身につくと、次のようなメリットがあります。
・詐欺や怪しい話を避けられる
・余計な手数料を払わずに済む
・心の余裕が生まれ、攻めの投資も冷静に判断できる
・「お金を失う恐怖」に怯えなくてよくなる
つまり「守る力」は、資産形成の土台であり、あなたの人生そのものを守る力にもつながります。

資産を守る防衛知識:要注意リスト
◉危うい投資
・貯蓄型保険 ・オフショア投資 ・新築ワンルーム投資 ・仕組預金、仕組債
・ファンドラップ ・節税を目的にした投資商品 ・銀行窓口の外貨預金
・サブリース契約 ・広告に載っている投資商品 ・アクティブファンド
・太陽光発電 ・ソーシャルレンディング ・毎月分配型の投資信託 ・暗号資産
・バイナリーオプション ・レバレッジ型の投資信託 ・先物取引 ・FX
⚠️「資産を増やしにくい」もしくは「減らしてしまう可能性の方が高い」
◉高額手数料の温床
・ハウスメーカー ・無料のFP相談窓口 ・保険の相談窓口 ・証券会社の窓口
・銀行の窓口 ・IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
◉借金になる買い物の仕方
・残価設定型クレジット(残クレ) ・2年後返却などの1円スマホ
・金利ゼロの分割払い ・カードローン ・リボ払い
⚠️これらは借金の一種!
たとえ金利がゼロでも借金をしてはいけない。借金は家計管理を複雑にし、お金を貯めにくくする。
◉詐欺・ぼったくりの入り口
・ネットワークビジネス(MLM) ・知らない電話番号の着色
・知らない人からの儲け話 ・高額な情報商材 ・高額なスクール ・SNSに来るDM ・訪問営業
世の中には、近寄ってはいけないモノ・サービスがあります。うっかり契約すると家計が不調になる可能性が高い!これらの名前を見かけたら、要注意です。
今回の記事に沿った内容の動画です。
まとめ
「結局なくしてしまうのなら、いくらお金を儲けたって意味がない」
(ロバート・キヨサキ『金持ち父さんの投資ガイド入門編』より)
この言葉の通り、守る力はすべての土台です。
私たちは皆、必ず騙される可能性を持っています。だからこそ「私は関係ない」と思わず、知識をアップデートし、自分のお金を自分で守る習慣を育てましょう。
リベ大が大切にしている「貯める・増やす・稼ぐ・使う・守る」の5つの力。その中でも「守る力」は人生の安心感を生み出す最重要の力です。
ぜひ今日から、あなた自身の「守る力」を意識してみてください。
貴重な時間を使ってお読みいただきありがとうございます。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。